「今月の購入率は18%です。」
「客単価は前年比95%でした。」
店長であれば、毎日のように数字を確認していると思います。
でも、その数字を見て次の行動まで考えていますか?
実は、多くの店長が数字を「確認」することはできても、「活用」することはできていません。
私は数字とは、お店の脈拍や血圧のようなものだと考えています。
数字そのものを改善するのではなく、数字が教えてくれるサインを読み取り、行動を変えるためにあるものなのです。
血圧は、見ているだけでは下がらない
健康診断で血圧が高かったとします。
そのとき、
「血圧が高いな。」
と思うだけで終わる人はいません。
血圧を下げるために、
-
塩分を控える
-
適度な運動をする
-
睡眠を見直す
-
生活習慣を改善する
といった行動を始めます。
つまり、数字を変えるのではなく、数字を変える原因に手を打つのです。
店舗も同じです。
購入率が低い。
客単価が低い。
リピート率が落ちている。
それは、お店からのサインです。
数字を眺めているだけでは何も変わりません。
数字を見て、何を変えるべきかを考え、行動することに意味があります。
数字は結果ではなく「原因」を探すためにある
例えば、
「購入率が下がっています。」
では、購入率を上げるにはどうすればいいでしょうか。
購入率という数字を直接動かすことはできません。
変えられるのは、その数字を生み出している行動です。
例えば、
-
声掛けのタイミング
-
商品知識
-
試着へのご案内
-
POPの見直し
-
売場の導線
-
商品の見せ方
これらを改善した結果として、購入率が上がります。
客単価も同じです。
「客単価を上げよう。」
これは目標にはなりますが、行動ではありません。
客単価を上げるためには、
-
関連販売を提案する
-
コーディネート提案を増やす
-
セット販売を行う
といった具体的な行動が必要です。
数字は「結果」であり、「原因」ではありません。
商品を畳み直しただけで、売上が改善した話
私がある店舗へ赴任したときのことです。
売上は伸び悩んでいました。来店数は多いのになぜ?
課題点として見つけたのは「購入率」
そこで売場をじっくり見て回ると、一つ気になることがありました。
IP(アイテムプレゼンテーション)の商品が乱れ、商品は積み重なり、色もサイズもバラバラ。
手に取って見比べる前に、「なんだか見づらいな」と感じる売場になっていました。
私はスタッフに、特別な指示は出しませんでした。
「まずは商品をきれいに畳み直そう。」
それだけです。
商品を整理し、色順・サイズ順に並べ直し、お客様が比較しやすい売場へ整えました。
すると、それだけで売上は改善し始めたのです。
新商品を投入したわけではありません。
値下げをしたわけでもありません。
広告を出したわけでもありません。
変えたのは、お客様が商品を選びやすい環境だけです。
購買ファネルの「比較・検討」を邪魔していた商品の乱れを修正しただけです。
この経験から改めて感じたのは、数字を見て終わるのではなく、数字を見て行動を変えることが店長の仕事だということでした。
店長は医師のような存在
医師は、血圧計を見ているだけではありません。
血圧が高くなった原因を探し、生活習慣を改善することで健康を取り戻します。
店長も同じです。
売上という数字だけを追いかけるのではなく、
-
なぜ客数が減ったのか。
-
なぜ購入率が落ちたのか。
-
なぜ客単価が下がったのか。
その原因を探し、改善できる行動へ落とし込むことが仕事です。
数字を見るだけなら、誰でもできます。
数字から行動を考えられる人が、店長なのです。
数字は「見るもの」ではなく「動かすもの」
数字は、お店の脈拍や血圧です。
異常を教えてくれる大切なサインですが、それだけを眺めていても売上は変わりません。
血圧を下げるには生活習慣を改善するように、お店の数字を改善するには、売場や接客、商品提案、スタッフの行動を改善する必要があります。
私が赴任した店舗では、IPの商品を整理整頓しただけで、お客様が商品を比較しやすくなり、売上が改善しました。
大きな投資や特別な販促ではありません。
数字から課題を見つけ、行動に移したことが成果につながったのです。
だから、数字を見て一喜一憂するのは今日で終わりにしましょう。
数字を見たら、自分に問いかけてください。
「この数字を変えるために、自分は今日、何を変えるだろう?」
その問いを持ち続けることが、店長としてお店を成長させる第一歩になるはずです。
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筆者プロフィール
株式会社SUNNYDAYWORK 代表 高渕 修
リテールコンサルタント/WEBマーケター/服飾専門学校講師
販売職として25年、店長・店舗運営に20年、EC事業に10年以上携わり、販売スタッフから店長、エリアマネジメント、本部業務、オンライン事業部長まで幅広い現場を経験。
現在は、小売店・アパレル企業を中心に、売上改善、店舗運営、人材育成、VMD、EC運営支援などを行うリテールコンサルタントとして活動しています。
また、服飾専門学校では、店舗運営・VMD・EC・SNS活用などを指導し、現場で即戦力として活躍できる人材育成にも取り組んでいます。
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