そのお店は、社内でも売上が厳しい、閉店の検討の対象でした。故に人気の商品も、好調な店舗へ早い段階で移動させられる。売上をつくりたくても、なかなかうまく仕組みが回らない。そこでの2年目、1年目の厳しい結果を受けて、私はまさに背水の陣。2年目で実績が出なければ、店長降格も現実的な状況でした。
何かを変えなければ、いけない。そんな中で始めたのが、休みの前日に、必ず“店長コラム”を書くことでした。
なぜ、コラムだったのか
正直に言うと、最初から戦略があったわけではありません。
ただ、毎週こう思っていました。
「今週、結局なにが課題だったんだろう?」
忙しさの中で、問題は次から次へと起きます。スタッフのこと、売場のこと、数字のこと。でも振り返らないと、全部が“なんとなく大変だった”で終わってしまう。
それが一番、怖かった。
だから休みの前日に、必ず書きました。
書いていたことは、シンプルです
・今週売れたもの
・売れなかった理由
・お客様の動きで気づいたこと
・現場で感じた違和感
・ニュースや他店事例で参考になったこと
・その週に読んだ本で活かせそうなこと
・来週、絶対に揃えたいこと
長文ではありません。
10分〜15分で書けるくらい。
A4用紙に2枚程度。ちょうどこの記事くらいの分量でした。
なぜ“書くこと”が売上につながったのか
忙しいと、人は「分かっているつもり」になります。
売れていない理由も、課題も、頭の中では整理できている気になる。でも、書くと逃げられません。本当は何が問題なのか。今、優先すべきは何か。自分は何にイライラしているのか。すべてが可視化されます。
そしてそれをスタッフに共有することで、
感覚が共通言語に変わる。
不振店で一番怖いのは、空気がバラバラになること。なんとなく接客する人、目の前の作業だけをこなす人、売上を諦めている人が混ざると、売場は静かに弱くなります。
でも毎週、「今はこれを強化する」「この商品が売れている理由はこれ」「来週は購入率を上げたい」と明確に伝え続けると、少しずつ揃っていく。
全員が読んでいなくてもいい。読んでいる人が変わると、空気が変わる。空気が変わると、数字が動く。そのうねりは見えないくらいゆっくりですが、確実でした。商品が少なくても、立地が不利でも、人が足りなくても、それでも店長にできることはある。
考えを言語化し、方向を揃えること。
これだけは、誰にも奪われません。
奇跡じゃない。積み重ねが景色を変えた
結果はどうだったか。
前年をしっかり超えました。経費も下がり採算ベースまであと少しまでに。
結果その実績を買われ、売上規模の大きい店舗への異動。その後はECへの転籍まで、年ごとに異動するあわただしさに繋がります。
不振店の店長だった私のキャリアを反転させた転換点。それは、毎週書き続けた「店長コラム」に他なりません。
魔法ではありません。
特別なノウハウでもありません。
ただ、毎週書き続けただけ。
でもその習慣が、
お店を“感覚経営”から“意図ある運営”に変えました。
もし今、追い込まれているなら
売上が厳しいときほど、店長は孤独になります。
現場に立ち、数字を見て、スタッフを抱える。考える時間すら足りない。
でも、いきなり大きなことを変えなくていい。
まずは今週の振り返りを、書いてみること。
いま一番の課題は何か。来週、絶対に揃えたいことは何か。
それだけで、売場の空気は少しずつ整い始めます。
それでも、ひとりで整理しきれないときはあります。
「自分の店の課題をちゃんと分解したい」「ヒト・モノ・ウツワで見直したい」
そう感じたら、声をかけてください。
現場を知っている立場で、店長がこれ以上しんどくならない形で、一緒に整理します。


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