アパレルECの集客が難しい5つの理由
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苦労する自社アパレルECの集客

どの会社もそうですが、できれば自社ECサイトで売上を上げたいというのは共通の戦略です。ですが、自社サイトの集客は難しい、特に自社アパレルECおける集客は真っ先にぶち当たる壁なのです。希少な商品をもっているので、うちは唯一無二です。といわれるクライアントさんもいらっしゃいましたが、web上で唯一無二なんてあり得るわけがない。そんなに簡単に考えて始めてしまうと火傷する可能性が高い。その難しい理由と、向かうべき方向性について考えていきたいと思います。

理由① ZOZOTOWNがいる。

アパレルECには巨人、ZOZOTOWNがいるということは大前提として押さえておく必要はあります。うち中小だし関係ないって思わないでくださいね。一時期バッシングやZOZO離れが話題になった時もありましたが、そのタイミングで抜けたブランドも、結局戻ったところも多かったですよね。それくらいZOZOTOWNの販売力、特に1品番を縦に売る力は、それこそ唯一無二なんです。それは知名度の問題も大きいですが、仕組みとして出来上がっていることの方が大きいと思います。システムとしての完成度がとても高い。在庫を積めば積むほど売れやすくなる仕組みになっています。どんな中小企業であっても前提として考えるべきポイントだと考えています。

理由② 販売期間が短すぎる。

たくさんの洋服がハンギングされて並んでいます。
すぐにセールをむかえるアパレル商品

ECの集客経路のひとつにSEO対策があります。検索結果に表示してアクセスを稼ぐ方法です。SEO対策での集客のデメリットのひとつが時間が掛かるということです。逆にメリットはコストがあまり掛からない事。この時間軸がアパレルの商品にマッチしないんです。特に現在ののアパレル業界の商品はトレンドを食い合い消費するサイクルが明らかに短くなってきていることもあって、SEO対策をして検索上位を取ったころにはもうすでに売れない商品になっているなんてことがざらに起こります。予約販売などかなり先行して公開するなどの対策は皆さん行っていますが、如何せんサイクルには合わない商品というのがアパレル商品の致命傷なのです。

理由③ 検索キーワードが変りすぎる。

洋服のトレンドは、共にキーワードのトレンドと直結します。アパレルって言い方をころころ変えて新鮮味を出すことも戦略のひとつです。例えば、塩ビのレザー風の素材。昔はフェイクレザーって呼んでましたよね。現在はエコレザーとかヴィーガンレザーという風に同じものでも呼び方をそれっぽくするのがオシャレになってしまうのです。ここもSEO対策にはなりますが、一つ昔の呼び方で対策をガンガンしていたとしても、キーワードが変わってしまうという危険性があるという事ですね。SEO対策だけでなく、リスティング広告についてもキーワードの選定を誤ると、コストを無駄にしてしまうことも気にしておかないといけないポイントです。

理由④ インスタはもう集客手段にならない。

スマートフォンのインスタグラムの画面を操作しています。
過渡期を迎えるインスタグラム戦略

アパレルECの大きい集客経路のひとつが、SNSです。一時期はインスタだけで集客をしていたブランドもたくさんありました。その成功事例をまねて、頑張っているブランドさんも多いですが、正直言って過去のようなバズり方は絶対にしません。インフルエンサーという言葉もすでに聞かないようになって久しいですよね。現状数百人規模から万人規模へのアップグレードは、ほぼほぼないと考えた方がいいでしょう。たとえその規模であっても、商品がバカバカ売れるってことはもはや都市伝説のレベルです。なぜか?インスタ自体がオシャレでなくなってきていることが一つ。プレイヤーが多すぎて差別化できないことがもう一つ。新規を獲得する為というよりは、顧客様とのエンゲージを高める意味での活用が望ましいかもしれません。

理由⑤ ビッグトレンドが生まれない時代背景。

シンプルな白いセーターとジーンズ。これだけでも個性を演出できる。
ファッションも多様な価値観のひとつに。

これはECに限った話ではありません。過去20年前などは一つの商品を当てたら家が建つなんてことがありました。それくらい魅力的な業界でした。ですが、今現在、そこまでのビッグトレンドが生まれるか?といわれれば、答えは「NO」でしょう?情報化の中で価値観は多様化していますし、トレンドの芽は直ぐに2次元的にいろんなブランドが取り入れ消費してしまう。今年はやったグリーンって来年どうなっているか?それくらい流れていくのが早い業界になっていることを、本当に認識しているのか?まして、少子高齢化も加速度的にのしかかってきます。過去の成功体験を捨てきれなければ生き残りも厳しいのが現状です。

現状を嘆いていも仕方がない。どういう戦略がいいのか?

現実的にすぐに売上が必要であれば、広告が一番効率がいいかもしれません。googleのショッピング広告は割とroasが出やすいと思います。知名度のあるブランドがあればなおのこと、集客はしやすいですよね。但し、利益構造は厳しくなりますし、広告依存はとめれば売上も止まる危険性をはらみます。資本的に体力のある企業でなければ取れない戦略ではあります。そこまでコストを払うのであればZOZOTOWNで売るのと差がなくなります自社サイトの存在意義もおぼろげになるかもしれません。

中小企業がとるべき戦略は?

男女4人メンバーがアイディアを持ち寄り戦略を練っています。
中小企業でしかできない差別化

より小さく、狭く、奥深く、長く。が基本戦略になります。ペルソナに対してお店自体を細分化していく事がサイトであれば可能です。そして奥深く。情報過多なweb上ですが、意外と似たり寄ったりの情報しかありません。商品説明文などは、どこのサイトもほぼ同じ、独自性のある情報がほぼないのもアパレル業界の特徴ですので、逆手に取ることは可能ではないでしょうか?それと、正確な情報を載せようとするばっかりに、主観的な記事とかコメントが少ない。僕はこれが好きなんだ!いう主観だけの情報の方がお客様に響くのでは?そして長く、理由②でもありますが、販売期間を長くする事ですね。なかなか難しいですが、シーズンのセールをしないでもいい戦略が取れればベストでしょうね。商品的な部分だけではなく、お客様との関係性も長くする。いわゆるリピーター施策が一番大事です。昔ながらのメルマガ、LINE、インスタも、もはやリピーターとの接点と考えるべきです。逆に大きくて身動き取れない企業よりは、今後は中小、もしくは個人商店の方が見込みがあるとも考えられるでしょう。

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