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小売店店長のための売上改善術|売上が上がらない時は外部要因を一旦無視しよう

「売れる商品がないから売れない。」

店長時代の私は、本気でそう思っていました。

当時任されていたのは売上不振店です。

売れ筋商品は、売れている店舗へ優先的に配分され、私の店舗にはなかなか入ってきません。

「この商品があれば売れるのに。」

そんな思いから、本部へ何度も不満を伝えていました。

でも、今振り返ると、本部の判断は間違っていません。

会社全体で考えれば、来店客数が多い店舗へ売れ筋商品を投入するのは当然の判断です。私がディストリビューターでも、きっと同じ判断をしていたでしょう。

つまり、商品配分は私には変えられない「固定数」だったのです。

それに気付かず、私は一年近く「変えられないこと」と戦っていました。

売上は当然上がりません。

店長としての立場も危うくなり、「このままでは終われない」と思っていた頃、一冊の本でこんな考え方に出会いました。

「変えられないことではなく、変えられることに力を注ぎなさい。」

その一文を読んだ瞬間、考え方が変わりました。

どうせ厳しい状況なら、やれることを全部やってみよう。

そう決めてからは、他店では二番手、三番手の商品を一番目立つ場所で展開し、自分の店だけの売れ筋を育てることに挑戦しました。

少しずつですが、その商品が動き始め、売上も上向いていきました。

この経験以来、売上が伸びないときは、まず「固定数」と「変数」を分けて考えるようになりました。


固定数と変数を分けて考える

売上には、自分たちでは変えられない要因と、自分たちの行動で変えられる要因があります。

私は前者を「固定数」、後者を「変数」と考えています。

固定数とは、

  • 天候

  • 景気

  • 物価

  • 曜日

  • 商業施設全体の来店客数

  • 競合店のセール

  • 商品配分

などです。

もちろん売上には影響します。

しかし、店長がどれだけ頑張っても、今日の雨を晴れにはできませんし、本部の配分方針を簡単に変えることもできません。

だからこそ、必要以上にそこへ時間を使っても、お店の状況は変わりません。


店長が動かすべきなのは「変数」

一方で、店長には動かせるものがあります。

例えば、

  • 売場づくり(VMD)

  • 商品の見せ方

  • POP

  • 接客

  • 声掛け

  • 関連販売

  • 客単価

  • 購入率

  • スタッフ教育

  • SNSでの情報発信

これらは、今日からでも改善できます。

店長の仕事とは、この変数を一つずつ改善し、お店の成果につなげることです。


「売れない理由」ではなく「売る方法」を考える

例えば、

「今日は雨だった。」

これは事実です。

でも、その事実だけでは売上は変わりません。

雨の日でも、

「入口のディスプレイを変えられなかったか。」

「接客をいつもより丁寧にできなかったか。」

「客数が少ないなら、一人あたりの購入金額を上げる提案はできなかったか。」

そんな問いを持つことで、次の行動が見えてきます。


店長の思考は、お店全体に伝わる

店長が、

「今日は仕方ない。」

と言えば、その空気はスタッフにも伝わります。

反対に、

「環境は変えられない。でも、自分たちの行動は変えられる。」

そう考える店長のもとでは、自然と改善する文化が生まれます。

だからこそ、店長には「変数を見る習慣」が必要なのです。


まとめ

売上が上がらないときほど、私たちは景気や天候、競合店の動きなど、外部要因に目を向けがちです。

もちろん、それらは売上に影響する大切な要素です。しかし、それらは店長一人の力では変えられない「固定数」です。

一方で、売場づくり、接客、商品提案、スタッフ教育、情報発信などは、自分たちの行動次第で改善できる「変数」です。

私自身、変えられない商品配分に不満を抱き続けていた頃は、売上を変えることができませんでした。しかし、「変えられること」に目を向けたことで、お店は少しずつ変わり始めました。

だからこそ、売上が伸び悩んだときは、まず「固定数」と「変数」を切り分けて考えてみてください。

そして、まずは店頭を整理整頓してみてください。

それは、単に商品をきれいに並べ直す作業ではありません。

一つひとつの商品を手に取り、改めてその魅力を見つめ直す時間です。

「この商品の一番の魅力は何だろう。」

「どんなお客様におすすめしたいだろう。」

「この商品を見たら、あのお客様が喜ぶ顔が浮かぶ。」

そんなことを考えながら売場に立つと、今まで気づかなかった商品の魅力や、新しい提案方法が見えてきます。

売場には、お客様への提案のヒントだけでなく、店長自身の気づきもたくさん詰まっています。

売上は、特別なアイデアや劇的な改革だけで変わるものではありません。

日々の小さな改善を積み重ね、その一つひとつの変数を動かしていくことが、やがて大きな成果につながります。

店長の仕事は、変えられない環境と戦うことではなく、変えられることに知恵と時間を使うこと。

その積み重ねが、お店の未来を変えていくと私は信じています。


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株式会社SUNNYDAYWORKでは、小売店・アパレル企業を中心に、現場力を高めるためのコンサルティング・研修を行っています。

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筆者プロフィール

株式会社SUNNYDAYWORK 代表 高渕 修

リテールコンサルタント/WEBマーケター/服飾専門学校講師

販売職として25年、店長・店舗運営に20年、EC事業に10年以上携わり、販売スタッフから店長、エリアマネジメント、本部業務、オンライン事業部長まで幅広い現場を経験。

現在は、小売店・アパレル企業を中心に、売上改善、店舗運営、人材育成、VMD、EC運営支援などを行うリテールコンサルタントとして活動しています。

また、服飾専門学校では、店舗運営・VMD・EC・SNS活用などを指導し、現場で即戦力として活躍できる人材育成にも取り組んでいます。

このマガジンでは、成功事例だけでなく失敗から得た学びも交えながら、「現場で本当に使えるマネジメント」をテーマに発信しています。

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