ECサイト運営をしていると、一度は耳にする「ペルソナ」という言葉。
「ペルソナを作りましょう。」
「もっと具体的に人物像を設定しましょう。」
そんなアドバイスを受けたことがある方も多いのではないでしょうか。
でも、実際にやってみると、
名前を付ける
年齢や年収を決める
趣味や休日の過ごし方を書く
「これって本当に意味があるの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか。
実は私も、マーケティングの授業で学生にペルソナを作ってもらっています。
ところが、完成したペルソナを見るたびに、どこか物足りなさを感じていました。
それもそのはずです。
学生には、お客様の情報がほとんどありません。
想像だけで作った人物像は、どうしても「それらしい人」になってしまうのです。
では、ペルソナは必要ないのでしょうか。
私はそうは思いません。
ペルソナが必要な理由
実店舗では、お客様と直接会話をし、接客をする中で自然と「こんな方がよく買ってくださる」というイメージができあがります。
常連のお客様であれば、顔を見ただけで好みやライフスタイルまで思い浮かぶこともあるでしょう。
一方、ECではお客様と直接会うことがありません。
画面の向こうにいるお客様は、数字やデータとしてしか見えないのです。
だからこそ、EC運営ではペルソナという考え方が必要になります。
ただし、その人物像を想像だけで作ってはいけません。
GA4のアクセスデータ、EC管理画面の購買データ、レビュー、お問い合わせなど、一つひとつの情報を集めながら、お客様の姿を少しずつ具体化していくことが大切です。
つまり、ECにおけるペルソナとは、架空の人物ではなく、データをもとに組み立てていく「実際のお客様の姿」なのです。
ペルソナとは?
ペルソナとは、自社の商品を購入してくれる代表的なお客様を、一人の人物として具体的にイメージしたものです。
例えば、
-
35歳女性
-
共働き
-
小学生の子どもがいる
-
スマホで買い物をすることが多い
-
忙しい毎日の中で効率よく買い物をしたい
というように、お客様を一人の人物として考えます。
こうすることで、
「この人には、どんな言葉が伝わるだろう。」
「どんな情報があれば安心して購入してもらえるだろう。」
という視点で商品ページや広告を考えられるようになります。
ターゲットとの違いは?
ターゲットは、
「30〜40代女性」
「犬を飼っている人」
のように、大きなグループを表します。
一方、ペルソナは、その中の代表的なお客様一人を具体的に描きます。
ここまでは、多くのマーケティング本でも紹介されている内容です。
しかし、EC運営ではもう一歩踏み込んで考える必要があります。
「どんな人か」より「なぜ買うのか」
以前は、
-
名前
-
年齢
-
年収
-
趣味
-
好きなブランド
などを細かく設定することが推奨されていました。
もちろん、社内でイメージを共有するという意味では役立ちます。
しかし、それだけでは売上にはつながりません。
EC店長として本当に知りたいのは、
「どんな人なのか」ではなく、「なぜその人が買うのか」です。
例えば犬用ケーキなら、
人物像よりも、
愛犬の誕生日だから
家族みんなでお祝いしたい
安心できる材料だから
写真映えする思い出を残したい
という購入理由の方が重要です。
購入理由が分かれば、
商品ページの構成も、
キャッチコピーも、
広告の訴求も、
SNSの発信内容も変わります。
売れるECサイトは、
「誰に売るか」だけでなく、「なぜ買うのか」を考えています。
ECには想像ではなくデータがある
EC運営の最大の強みは、お客様の行動がデータとして残ることです。
GA4では、
-
年齢層
-
地域
-
利用デバイス
-
流入経路
-
よく見られているページ
などが分かります。
EC管理画面では、
-
売れている商品
-
リピート率
-
客単価
-
一緒に購入される商品
などを確認できます。
さらにレビューやお問い合わせには、
-
なぜ購入したのか
-
何に悩んでいたのか
-
何が決め手だったのか
という、お客様の本音が詰まっています。
こうした情報を組み合わせることで、お客様の姿はどんどんリアルになっていきます。
ペルソナは「作る」のではなく「育てる」
最初に作ったペルソナは、あくまで仮説です。
運営を続ける中で、
「思っていたより50代のお客様が多い。」
「価格より安心感を重視している。」
「Instagramより検索から来る人が多い。」
そんな新しい発見が必ずあります。
そのたびに、
GA4を確認し、
EC管理画面を分析し、
レビューやお問い合わせを読み返す。
そしてペルソナを少しずつ修正していきます。
この積み重ねによって、ペルソナは実際のお客様に近づいていくのです。
だから、一度作ったら終わりではありません。
ペルソナは、EC運営を続けながら育てていくものです。
EC店長が本当に考えるべきペルソナとは
ペルソナは、お客様を理解するための手段です。
しかし、想像だけで作った人物設定では十分とは言えません。
ECでは、お客様と直接会うことができないからこそ、GA4やEC管理画面、レビュー、お問い合わせなどのデータを活用し、お客様の姿を少しずつ明らかにしていくことが重要です。
つまり、ペルソナとは「架空の人物」ではなく、「データから見えてくる実際のお客様」を言語化したもの。
そして、一度完成させるものではなく、運営を続けながら何度も見直し、育てていくものです。
EC店長にとって本当に大切なのは、人物設定の細かさではありません。
お客様をどれだけ深く理解し、「なぜ買うのか」を考え続けられるか。
それこそが、売れるECサイトをつくる第一歩なのです。
筆者プロフィール
株式会社SUNNYDAYWORK 代表 高渕 修
WEBマーケター/服飾専門学校講師
販売実績25年、店舗運営20年、EC運営歴10年。アパレルショップの販売スタッフから店長・店舗運営を経て、オンライン事業部長としてEC事業を統括。その後独立し、現在はEC事業者へのコンサルティングや運用支援、人材育成に取り組んでいます。
専門学校では、店舗運営とEC運営の両方を理解した人材育成を担当。現場で培った経験をもとに、「現場で使える知識」を発信しています。
ECは、一人で悩む時代ではありません。
ECサイト制作から運営改善、広告運用、人材育成まで、事業の成長に合わせて伴走します。
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