ECサイトの商品数が増えてくると、カテゴリーも増えていきます。
商品を細かく分類すれば、お客様が目的の商品を探しやすくなる。SEO対策としても、カテゴリーごとにページを作れば検索流入の機会が増える。
そう考えて、カテゴリーをどんどん増やしていませんか?
しかし、カテゴリーが多ければ多いほど、お客様にとって使いやすいECサイトになるとは限りません。
むしろ、分類や括りが増えすぎたことで、どこから商品を探せばよいのか分からなくなってしまうケースもあります。
また、カテゴリーを増やすということは、運営側が管理するページも増えるということです。作ったまま更新されず、商品がほとんど掲載されていないカテゴリーが残っているECサイトも少なくありません。
今回は、ECサイトの商品カテゴリーの役割を整理しながら、お客様が商品を見つけやすいカテゴリー設計の基本について考えていきます。
ECサイトの商品カテゴリーとは?
ECサイトの商品カテゴリーとは、商品を一定のルールに沿って分類し、お客様が目的の商品を探しやすくするための仕組みです。
例えば、アパレルECであれば、次のような分類が考えられます。
- トップス
- ボトムス
- ワンピース
- アウター
- バッグ
- シューズ
- アクセサリー
さらにトップスの中を、Tシャツ、シャツ、ブラウス、ニット、スウェットなどに分類することもできます。
商品数が増えれば、ある程度細かな分類が必要になるのは当然です。
ただし、ここで考えておきたいのは、カテゴリーは運営者が商品を整理するためだけのものではないということです。
お客様が商品を見つけるための道しるべであり、ECサイトにおける売り場案内の役割を持っています。
運営側にとって管理しやすい分類と、お客様にとって探しやすい分類は、必ずしも同じではありません。
カテゴリーを増やしすぎると商品が見つけにくくなる
商品数が多いECサイトほど、カテゴリーを細かく分けたくなります。
例えば、シャツというカテゴリーを作った後に、半袖シャツ、長袖シャツ、リネンシャツ、チェックシャツ、デニムシャツなど、さらに細分化していく方法です。
もちろん、こうした分類が必要な場合もあります。
しかし、細かく分類すること自体が目的になってしまうと、かえって使いにくいサイトになる可能性があります。
例えば、次のような問題です。
① カテゴリーが多すぎて、どこから探せばよいか分からない
カテゴリーが増えすぎると、メニューに表示される項目も増えていきます。
お客様は商品を探す前に、どのカテゴリーを選べばよいのかを考えなければなりません。
商品を探すための選択肢を増やしたつもりが、選択する負担を増やしてしまうこともあります。
② カテゴリーの階層が深くなりすぎる
大分類、中分類、小分類と細かく分けていくと、目的の商品にたどり着くまでに何度もクリックが必要になります。
スマートフォンでの閲覧が中心となっている現在、複雑な階層構造は特に使いにくさにつながる可能性があります。
③ 似たようなカテゴリーが並んでいる
例えば、「カットソー」「Tシャツ」「トップス」など、分類の基準が曖昧なままカテゴリーを作ってしまうケースです。
それぞれの違いが分からなければ、お客様はどこを見ればよいのか迷ってしまいます。
大切なのは、カテゴリーの数を増やすことではありません。
お客様が迷わず目的の商品にたどり着ける分類になっているかどうかです。
SEO対策のためにカテゴリーを増やすのは正解?
ECサイトのカテゴリー設計を考えるとき、SEO対策も無視できません。
カテゴリーごとにページを作ることで、検索エンジンに商品ジャンルを認識してもらい、検索流入の入口を増やせる可能性があります。
例えば、アパレルECであれば、
- メンズシャツ
- リネンシャツ
- 半袖シャツ
- チェックシャツ
といったカテゴリーを設け、それぞれの検索ニーズに対応する考え方です。
しかし、カテゴリーを作れば、それだけでSEOに有効というわけではありません。
検索エンジンに評価されるためには、そのページが検索する人のニーズに応えられていることが重要です。
例えば、次のようなカテゴリーは見直しが必要です。
- 掲載商品が1~2点しかない
- 他のカテゴリーと掲載商品がほとんど同じ
- ページごとの特徴や説明がない
- カテゴリー名と掲載商品が一致していない
- 検索する人が求める情報を提供できていない
カテゴリーを増やすこと自体をSEO対策の目的にしてしまうと、似たような内容のページばかりが増えてしまう可能性があります。
検索流入を増やすことは大切ですが、検索して訪問したお客様が商品を見つけられなければ、購入にはつながりません。
SEO対策とユーザビリティは、どちらか一方を優先するものではありません。
検索エンジンからの流入を考えながら、訪問したお客様が商品を探しやすいサイトにすることが大切です。
カテゴリーと検索・絞り込み機能を使い分ける
商品数が多いECサイトでは、カテゴリーだけですべての商品を分類しようとしないことも重要です。
カテゴリー、検索機能、絞り込み機能には、それぞれ異なる役割があります。
カテゴリー:商品を大きく分類する
カテゴリーは、お客様が商品を探し始めるための入口です。
例えば、アパレルなら「トップス」「ボトムス」「アウター」といった大きな分類を基本にします。
検索機能:欲しい商品を直接探す
商品名やブランド名、商品番号など、目的の商品がある程度決まっているお客様に向いています。
絞り込み機能:条件を指定して商品を探す
価格、サイズ、カラー、素材、ブランドなど、条件を指定して候補を絞り込む機能です。
例えば「パンツ」というカテゴリーから入り、サイズはM、カラーはブラック、価格は1万円以下という条件で絞り込むことができます。
このように役割を分けることで、カテゴリーを必要以上に細分化しなくても、商品を探しやすいECサイトを作ることができます。
すべての商品をカテゴリーに押し込めるのではなく、検索や絞り込み機能も含めて商品への導線を設計することが大切です。
お客様はどんな基準で商品を探している?
カテゴリー設計で忘れてはいけないのが、お客様の視点です。
運営者は商品を仕入れたり、登録したりする過程で、商品ジャンルやブランド、品番などを基準に分類しがちです。
しかし、お客様が必ずしも同じ基準で商品を探しているとは限りません。
例えば、アパレルの場合、次のような探し方があります。
- 商品の種類から探す:シャツ、パンツ、バッグ
- 用途から探す:通勤、旅行、アウトドア
- 素材から探す:リネン、コットン、ウール
- ブランドから探す:好きなブランドの商品
- 価格から探す:予算に合う商品
- 季節やシーンから探す:春夏、秋冬、フォーマル
「シャツが欲しい」というお客様もいれば、「旅行に着ていく服を探している」というお客様もいます。
同じ商品でも、お客様によって探し始める入口は違います。
だからこそ、商品をどのように分類するかだけでなく、お客様がどんな目的で、どんな言葉を使って商品を探すのかを考える必要があります。
ただし、すべての切り口をカテゴリーとして独立させる必要はありません。
用途や素材などは、特集ページやタグ、絞り込み機能で対応した方が使いやすい場合もあります。
大切なのは、お客様の探し方に合わせて、適切な入口を用意することです。
カテゴリーは作った後のメンテナンスも重要
カテゴリー設計でもうひとつ忘れてはいけないのが、運営側の管理です。
カテゴリーは一度作ったら終わりではありません。
商品構成や販売状況は変化します。季節が変われば、売れる商品も変わります。取り扱いブランドや商品ジャンルが増減することもあります。
カテゴリーを増やし続けると、それぞれのページを確認し、適切な状態に保つための管理負担も増えていきます。
例えば、
- 商品がなくなったまま放置されている
- 季節が変わっても掲載内容が更新されていない
- 掲載商品が1~2点しかない
- 過去のキャンペーンや企画カテゴリーが残っている
- カテゴリー名と掲載商品が一致していない
こうしたページが増えていないでしょうか。
カテゴリーを作ることは簡単でも、その後のメンテナンスには手間がかかります。
管理できないカテゴリーを増やすことは、運営効率を下げるだけでなく、お客様にとっても不親切な売り場を作ることになりかねません。
カテゴリーを新しく作るときには、次のことも考えておきましょう。
- 継続して掲載できる商品数があるか
- お客様がその分類から商品を探すニーズがあるか
- 既存カテゴリーと役割が重複していないか
- 定期的にページを確認・更新できるか
- 今後の商品構成の変化にも対応できるか
カテゴリーの数を増やすことよりも、必要なカテゴリーを適切に管理し続けることが重要です。
ECサイトのカテゴリー設計を見直す5つのチェックポイント
最後に、自社ECサイトのカテゴリー設計を見直すためのチェックポイントをまとめます。
① お客様が使う言葉でカテゴリー名を付けているか?
運営側の専門用語や社内独自の分類ではなく、お客様が理解しやすい名称になっているかを確認しましょう。
② カテゴリーが細かくなりすぎていないか?
細分化する必要性があるのか、検索や絞り込み機能で対応できないかを考えます。
③ 目的の商品まで迷わずたどり着けるか?
カテゴリーの階層やメニューの構成を確認し、スマートフォンでも使いやすい設計になっているかをチェックします。
④ 似たようなカテゴリーや重複したページがないか?
掲載商品やページの役割が重複していないかを確認します。
⑤ 作ったカテゴリーを継続的に管理できているか?
商品が掲載されているか、季節や販売状況に合った内容になっているか、定期的に見直しましょう。
カテゴリー設計はオンラインの売り場づくり
実店舗であれば、お客様が商品を探している様子を見て、スタッフが声をかけたり、売り場を案内したりすることができます。
しかし、ECサイトには基本的にその役割を担うスタッフはいません。
だからこそ、カテゴリーや検索機能、商品一覧の見せ方が重要になります。
カテゴリーは、商品を整理するためだけのものではありません。お客様が商品を見つけ、比較し、選ぶための売り場案内です。
カテゴリーが多いことが問題なのではなく、必要のない分類が増えたり、管理されないページが残ったりすることが問題なのです。
商品数が増えてきたときこそ、一度立ち止まって考えてみてください。
そのカテゴリーは、本当にお客様が商品を見つけるために必要でしょうか?
ECサイトの使いやすさは、デザインの美しさだけで決まるものではありません。
お客様が迷わず商品を見つけられること。選びやすく、買いやすい環境を整えること。それも大切なECサイト運営の仕事です。
カテゴリー設計を見直すことは、ECサイトの売り場づくりを見直すことでもあります。

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